異次元の森


ようこそ「異次元の森」へ・・・。
世界は広く、わたしたちが知らない事っていっぱいあるものだと思います。
ここではそういったあなたの知らない世界をちょっぴり楽しく紹介します。


  


10:行きは15分 帰りは5分
「行きは15分 帰りは5分」。これは、私が高校に通っていたときの自転車での通学時間である。距離にして、2〜3kmなのだが、なぜ、行きと帰りでこのように違いがあるのかというと答は簡単、高校が山の上にあるからだ(標高650m以上だったと思う)。まあ、山の上とは少々大げさだが、学校の敷地の半分に降った雨は太平洋(九州の東側)に、もう半分は反対側の有明海(九州の西側)に流れていくという、分水嶺の上に校舎が建っている。私の家を出て、数百メートルはほぼ平坦だが、そのあとは急勾配が続く。標高差が100m以上あるので、どんなに勢いをつけて坂を登っていても、残り半分くらいの地点で力つき、自転車から降りて押していくことになるのが普通だ。ちなみに、私は高校3年間のうち2〜3回だけ、途中で1回も足を着かずに登りあげたが、最後の方はジグザグになり、かなり体力を消耗した(所要時間は途中から歩いたときと変わらない)。行くときに苦労しておくと、帰りは逆にすごく楽になる。5分というと、自動車なみの早さである。下り坂では、自動車も速度を上げて走っているが、急なカーブでは自転車の方が有利だし、信号待ちもしなくてよい。(途中に信号が2カ所だけあった。自転車が左折するときは信号は関係ないし、信号無視をしたこともあったっけ?・・注:信号無視は違法!)下り坂を、速度を上げて下るのは、気持ちがいいものであった。

9:うさぎを・・・
私が小学生のころだったであろうか、家族である親戚のうちへ行って、夕食を食べたあと帰るときの話である。その親戚のうちは、町から離れた静かな集落にあり、国道から狭い道に入り、しばらく奥に入ったところにある。私の家からは、20kmくらい離れているし、車を使わないと行けないところである。その日の夕食は、いつのものようにお酒が出され、私の父は飲んでいい気分になっていた。そして、いつものように母が帰りの運転をまかされていた。もうとっくに日は暮れて、国道までの数kmは、車のライト以外の明かりは何もない、本当に真っ暗な状態になっていた。そんな中、私達を乗せた車が田園地帯にさしかかり、順調に走っていると、車の明かりに誘われて、車の目の前に、動物が飛び込んできたのである。運転していた母はびっくりして悲鳴を上げ、ブレーキを踏んで車を減速させた。最初はネコかなと思っていたが、走り方が違う。ウサギであった。するとそのウサギは目の前に飛び込んできたあと、私達の進行方向に逃げ始めたのである。(ウサギは明るい方に逃げようとしたのか?)それを見た父は、後部座席から「ひけ、ひけひけひけーぇっ!」とさけび始めた(実は私もその時「ひけ!」と言った)。母は、「いやよ、かわいそう」と言いながらウサギをよけていた。当然である。父と私は、ひき殺して食べようと思っていたのである。長い年月が経った今でも、父は母に動物愛護の観念から、人格を疑われている。(私が言ったことは覚えてないらしい・・セーフ!)

8:地元の眼科医
私の地元の眼科医は怖い。診察中は言葉がいつでも命令形なのだ。「はい、そこに座れ!あご(を台の上に)おけ!上見れ(見ろ)!下見れ!」と、こんな具合に早口で高い声で言う。ぶっきらぼう極まりない。しかも、子供にだけじゃなく、眼科医よりはるかに年上のおじいさんおばあさんに対してもこの調子である。だけど、技術的には安心できるようなので、みんなはその医者に診てもらっているようだ。(見た目はやぶ医者系・・)

7:標準語だと思ってしまう九州弁(熊本編)
九州出身の私が、他の人と会話をする時は、一応、理解してもらえるように、標準語を使うなどしています。しかし、会話の途中で、相手の頭上に「はてなマーク」が点灯することがあります。標準語で話しているつもりが、じつは、九州弁など地元の言葉だったということがたびたびあります。ここで、思いつくかぎりの一般的ではない言葉「標準語だと思ってしまう九州弁(熊本編)」を紹介します。九州の人は他の地方の人と話すときの注意の参考にしてください。また、他の地方の人は、次の単語をきいたら理解してあげて、そしてやさしく指摘してあげてください。 紹介ページへはここから!

6:蟻で釣った魚
私たちは、春秋の年2回ほど山に行って遊んでいた。ここで言う山とは、地元の高原部分である。自動車がぎりぎり通ることができる山道を最後まで行き、さらにひたすら歩くと「楽園」がある。人の手がほとんど加わってない大自然の中だ。雑音は聞こえず、聞こえるのは渓流のせせらぎと鳥の声ぐらいだ。車から降りて山菜を採りながら、けものの足跡を横に見て、奥へと向かう。笹竹に糸と針をつけ渓流に垂らす。えさは、その場でとった蟻などの虫だが、「釣り人」になれてない魚たちはすぐに飛びつく。川の水でといだ米を飯ごうで炊き、釣った小魚を焼いておかずにする。たまらなくうまい!暗くならないうちに車へ戻るが、途中、木の実をとって食べる。昔の人間はこれが当たり前だったのだろうが、山に行ったときは、生かされているということが実感できる1日であった。

5:屋根裏に掛けられた蜂の巣
私が小学生のころ、父親が外を面白そうにながめていた。何を見ているのか尋ねると、飛んでいる蜂を見ているとのことであった。私も注意して見ていると、確かに多くの蜂が飛んでいた。しかも、蜂たちは私たちの頭上を出たり入ったりしているようだった。父親いわく屋根裏に巣があるとのことだった。危なくないかと私は言ったが、「大丈夫。面白いからもう少し巣が大きくなるまで放っておこう。このことは家の人には言うな」と返してきたので言われるとおりに、母や祖母には黙っていた。その蜂の種類は、ヒメスズメバチといい、地元ではアカバチと呼ばれているものであった。体長は約3cmあり、スズメバチ同様に攻撃的である。私は毎日のように蜂の往来をながめていたが、2週間ほどたったある暑い日、家の中で遊んでいた近所の子供がその蜂に襲われた。そのままでは危ないということで父と母は蜂の巣をとってきた。バレーボールぐらいの大きさの巣はすぐに解体され、巣の中にいた成虫は素揚げに、幼虫とさなぎは炒め物へと調理された。蜂の料理は美味しいものだ。(ちょっとグロテスクだが、おかげで私はいろんなものを食べることができる)父親がなぜ巣が大きくなるのを楽しみにしていたかはあとになって気づかされた。

4:よねじい
私が通っていた中学校の近くに、「よねじい」「よねしゃん」と呼ばれるじいさんが住んでいた。高齢なのだがとても元気で、暖かい晴れの日は毎日のように夫婦そろって校舎わきの田畑に通っていた。(農作業用運搬機「よね戦車」がものすごい音で、授業がストップするほどであった)
ある日の休み時間にグランドの方に目をやると、牛が一頭走り回っていたのでびっくりした。近くには農家が何件かあったので、みんなでどこの牛だろうかと考えていたが、一番よねじいのところが怪しいと疑った。職員室から電話して、よねじいにきてもらった。グランドにたどり着いたよねじいが「おーい」と呼ぶと、牛はよねじいのもとに寄っていき、おとなしく帰っていった。私たちが牛に近づこうとしても牛は逃げて暴れるばかりだったが、牛も飼い主の声を覚えていたのだろうか?よねじいすごいと思った。(牛のほうがすごいか?)
よねじいはこのほかにも、グランドを「よね戦車」で横切ったり、いろいろなエピソードがあるのだが、何とも憎めなかった。

3:「1人で行う漫画朗読劇」 投稿者 ペンネーム「キン肉マンナイスバディ」
 私の地元は京都なのですが、高校時代の友人の話です。その友達はヤンキーではなかったのですが、高校1年生の時にすでにベンチプレス100kgを挙げる強者でした。ある月曜日、その友達と学校の帰りに「週間少年ジャンプ」を買いました。当時は「ジョジョの奇妙な冒険?」「ドラゴンボール」が私達の好きな漫画でした。
 隠れてたばこを吸うため、秘密サロンにしていた某山に行くときに、その友人が言いました。「このごろ漫画読むの怠くなってきたから、読ませてるんやー」「おもしろいもの見したるわ」
何のことを言ってるのかわからない私は、黙っていました。
そうこうしているうちに秘密サロンの山に着ました。山には隣の高校のいかつい生徒が待っていました。私が見慣れぬその人に友人は、ジャンプを渡しました。
「ドラゴンボール読め」友人が言うと、「はい」と返事してそのいかつい人は読み始めました。
「カメハメハ」「でかいー」半分泣きそうになりながら小さな声で読んでいるいかつい人に友人は「調教が足らんかったなー」と言い、背中に蹴りをいれました。「バスっ」鈍い音とともに「大声で効果音も入れろ」と怒鳴りました。
「かーめーはーめーはー」「でかいぞおおー」「ズズーン」「どどーん」「うわーっ」
「次、ジョジョ読め」「おらおらおらおらおら」「ざっワールドー」泣きながら読むいかつい人に、私は古都1500年の伝統芸を肌で感じながら、大笑いしていました。
後日、別の2人の人の朗読劇を楽しませてもらいました。
調教方法は企業秘密だそうですが、鉄パイプにヒントがあるそうです。今ではもう見ることのできない朗読劇、貴重な青春の1ページとして心に残っています。

2:謎の蛇使い
皆さんは蛇が嫌いだろうか?私も大嫌いだ。だけど、蛇の種類はさっと言える。マムシ、アオダイショウ、ヤマカガシ、シマヘビ・・・。高校生のころ出会った友達に、蛇を簡単に捕まえて遊ぶやつがいた。私にはできない。長くて気持ち悪いというのはまだ我慢できるかも知れないが、とにかく蛇はかむからイヤだ。当たり前のことだが、毒があるやつもないやつも蛇にいたずらしたら向かってくる。その友達「蛇使い」は、まず蛇のしっぽの所つかみ、かんだり絡んだりしないように振り回しながら、首をつかんで「よしよし」となでていた。ある日、高校の中庭に、体長2メートルを超し、手首くらいの太さのアオダイショウが現れた。(いろいろな生物が出現する高校です!)彼は素早くその蛇を捕獲し、振り回していた。彼はうれしそうだったが、見ている周りのみんなは気持ち悪がっていた。そして、振り回していた蛇をポーンと山の方へ飛ばし、返して?あげた。蛇使いのおかげでその後安心して授業を受けることができた。

1:グランドに出没した足の速い奴
私が高校生のころ、体育の授業でサッカーをしていたときの話です。みんなはボールに向かってプレーしていました。ここまでは当たり前のようなことですが、ある瞬間から一斉にみんなある一点をめがけて走り始めたのです。味方のゴールキーパーが「うさぎーー」と叫んだのです。指さす方を見ると本当に野ウサギがグランドの隅にいました。プレーしていたみんなは、ウサギを見つけるやいなや、それをめがけて走り始めました。もちろん目的は捕まえることで、しかも気づいたら全員が追いかけていて、グランドにはサッカーボールだけが残されていました。隣の駐車場へウサギを追い込んで30人くらいで囲んだのですが、奴の速い足・脚力で包囲を突破され、山の方にウサギは逃げていきました。 テニスコートに、彼らの糞がよくあったので近くに絶対いると思ってましたが、白昼に大勢の人間の前に現れたので、私達はさすがにびっくりしました。ちなみに、私を含めて何人もが捕まえたあと食べちゃおうと考えていました。(少し残酷な考えだけど、山間では昔から貴重なタンパク源なので、許してね)この時間しばらくみんなで授業を放棄したわけだけど、体育教師は私達を叱るどころか、平野部出身だったので珍しがっていただけだった。 山間の高校のこと、少しは分かっていただいたでしょうか?